胡散臭い投資関連記事に物申す② 「金投資は利息・配当が出ないからやるな」の謎


こんにちは。

1か月くらい間が空いてしまいました。

ニューヨーク出張から帰ってきた後すぐ札幌行ったり、大阪行ったり、出張者が立て続けに来たりで何かと忙しく、週末もありがたいことに結構お誘いがあり遊び惚けていたためすっかりこちらが遠ざかってしまいました。すみません。

さて、1か月留守をしていた間に金融市場も結構動いておりまして、米ドル円はいよいよ1ドル=144円に迫る勢いであります。皆さんちゃんと前回の記事を参考にドル預金してますか(笑)

株式市場では個人的にはあまり注目していませんが、日本株がだいぶ上昇しておりますね。いろいろ報道等出ておりますが、長期的にみれば日本経済はオワコンであることに変わりませんので、ファンダメンタルズ的には投資を回避したほうがいいと私は思いますが、短期的には上げ相場ですね。しかしそれも今週あたりから剝落しているので、警戒感が必要かと思います。そもそも日本の景気良くないですし。

今後の見通しですが、2023年も早くも折り返しに入ろうとしていますが、思いのほか景気の先行き不透明感が晴れませんね。FRBが利下げサイクルに転じる!とか言ってる楽観的な人が春頃いたかと思えば、今はまた追加利上げを警戒ですよ。未来のことなんか誰もわからないので、あまり将来予測に力を入れるよりも、長期目線でコツコツ積み立てしているのが良いです。長い目で見れば今は割安水準かと思いますので、仕込み仕込みで投資に回す資金を増やしていきましょう。

さてそんなわけで、間が空いてしまいましたが胡散臭い金融関連記事に物申す第2弾、ということで書いていきたいと思います。今回は金投資についてです。

金投資をやめとけという記事の最大の理由としてあげるのが、金投資は利息や配当がつかないというものです。

やれやれ、ナンセンス。ナンセンスですよ。

金投資の魅力は価値の安定性と値上がり期待であり、この2点において金は株や債券とは異なる魅力を有しているのです。

リターンを分解してみる

まずは、投資におけるリターンというものを細かくみていきましょう。投資によるリターンはインカム・リターンとキャピタル・リターンの2つにわけることができます。インカム・リターンとは株式投資であれば配当金、債券投資であれば利息収入です。投資をしていると継続的に得られるリターンがインカム・リターンです。

一方、キャピタル・リターンとは買った値段よりも高い価格で売ることによって得られる値上がり益です。これは株式投資でも債券投資でも両方あり得ます。債券投資は良くも悪くも値動きが限定的なのでキャピタル・リターンは限定的ですが、株式投資は当たれば買った値段の2倍、3倍、10倍にもなる可能性がありますし、外れればゼロになることもあり得ます。まあ債券も破産すればゼロになるので、そういう意味では株以上に割に合わない投資とも言えますが。

では金投資はどうかというと、まず前述の通りインカム・リターンはゼロです。金を持っているだけでは誰も利息も配当もくれないのでインカム・リターンはありません。キャピタル・リターンはどうかというと、こちらは少なくとも過去20年ほどをみると一時的な横ばい期を除けば基本的には右肩上がりです。そして、株にも債券にもない魅力は、金はそれ自体に価値がありますので、値下がりすることはあれど、価値がゼロになることはないということです。

会社が倒産すれば株価はゼロ、倒産でなくても業績不振が続けば株価が買った値段の‐90%なんてざらにあります。債券は株よりも価格の変動制が限定的ですが、デフォルトすればやはり価値はゼロ、または限りなくゼロに近くなります。しかし、金はよほど金に変わる金属が今後発見されない限り、価値がゼロまたはゼロに近いレベルになることはありません。貴金属として工業用や嗜好品としての需要が必ずあり、価格が大きく下がるということは基本的にはありません。

ということで株・債券・金のそれぞれのリターンの特性をまとめると下の表のようになります。

インカム・リターン キャピタル・リターン 価格の変動性

株式

債券

×

 

これだけみると金の優位性が十分に伝わらないかもしれませんが、価格推移のグラフをみていただけるとその魅力がわかるかと思います。

下記は過去20年間の田中貴金属における金の取引価格ですが、過去20年間において、基本的には右肩上がりで推移していることがわかります。特にコロナ禍後は世界的なインフレなどにも下支えされて上昇ペースが大きい状況です。

Gold Price

もちろん、このような状況がずっと続くわけではなく、おそらくどこかのタイミングでいったん調整が入るかと思いますが、株や債券ところなり、実物としての価値のある金は少なくとも価値がゼロになることはありません。そういう安心感、株や債券との値動きやリターンの出方の違い、というのは一つ魅力的な投資対象であることを示す特徴であると思います。

こうやって価格推移をみると2013年~2019年までの6~7年間は5000円台くらいで推移していますね。低金利・低インフレ時代と重なる気がしますので、この2点は金投資をする際は注目するべき指標として挙げられるかもしれません。

金投資は純金積み立てでコツコツ

金投資の方法はいくつかあり、地金を(家とかで)保有することに対するデメリットを強調するサイトもありますが、基本的にはどこかの金属会社の純金積み立てサービスを利用すると良いかと思います。やろうと思えば地金にも変えることができますが、基本的には申し込んだ一定額で毎月購入をしてくれてかつ基本的には電子上の数字で管理できます。

純金積み立ては手数料が高いと言われますがまあその辺は正直どうしようもないので我慢するしかないかと思います。金ETFであれば手数料は低いですが、地金に替えるのにめちゃくちゃ手数料がかかりますし、一定額以上の口数を持っていないと変えてくれません。パッと見た感じ800万円超分の口数が必要なうえに地金に替えるのに必要な手数料は10%くらいかかりそうです。純金積み立てであればもっと小額から地金に替えられますし、手数料もそこまで大きくありません。

ということで、私の投資記事で一貫していることですが、投資は基本的には長期・積み立てが基本です。毎月数万円という形で積み立て登録だけしておけば貯金替わりでどんどん金の保有量が上がっていき気づいた時にはそこそこの額になっていることでしょう。

Buy and Forgetこそ最良の投資方法であると思います。


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