投資をするときに重要なこと:早く始めて、長く続けること


資本家よりも少ない資金で、誰でも簡単に投資家になることができる。投資家になるときに重要なことは「早く始めて、長く続けること」である。早く始めることで景気サイクルに惑わされない投資が可能となり、また長く続けることで時間的な分散効果を享受することができる。この投稿では早く始めること、そして長く続けることの利便性について詳しく解説する。

投資を早く始めることの優位性①:景気サイクルに惑わされないようにする 

投資でまず重要なことは「早く始めること」である。経済は景気サイクルという波に従って推移している。この波を1)景気拡大→2)景気後退→3)不況→4)景気回復→と大きく4局面に分けることができる。大体10年周期でこの景気サイクルが一周すると考えられているが、もっと周期が短くなる時もあるし、長くなることもある。

今の経済状態がこの4局面のどこにいるか大体はわかるにせよ、完全にどこにいるかはわからないし、いつ次の局面へと移るのかを正確に予測することは不可能である。したがって、あなたが投資を始めようとするタイミングが景気サイクルの観点から適切かどうかはわからない。早く始めることの利点は、投資を始めたタイミングがどこだったにせよ、長期的な観点からみるとそこまで影響は大きくないからである。

仮に投資を始めてからすぐに金融市場が下落したとしても、始めた最初のころは投資資金が低額であることからダメージが小さくて済む。そのまま投資を続け、やがて景気の回復局面→拡大局面を経れば不況局面での下落を上回る成長が可能になる上に、不況時でも投資を継続したことで、本質的な価値よりも割安な水準で資産を購入することができ、上昇余地(アップサイド)も大きくなる。

次に、投資を開始した時期が市場の回復局面と絶好のタイミングであり、その後景気拡大局面→景気後退局面と順調に資産を増やすことができたとする(「景気後退局面」とは経済成長ペースが鈍化していることであり「不況局面」のように経済成長がマイナスになっているわけではない)。この後に不況を迎え、幾分か資産価値の下落にあったとしても、これまでの上昇分で十分カバーできるものであり、上昇分を超える下落がみられるようなことは想定されにくい。仮に上昇分がなくなることがあったとしても、振り出しに戻るだけであり、マイナスにならないのは大きい。こちらも先ほど同様に、投資を継続することでその後の景気回復局面→景気拡大局面での回復・上昇に期待することができる。

このように、早く始めることの利点は「景気サイクルによる影響を長期的には低減させることができる」ことである。

投資を早く始めることの優位性②:小さな失敗を大きな成功につなげることができる

早く始めることの2つ目の利点は、早いうちから失敗を多く経験できることである。何事でもそうだが、投資においても連戦連勝、百発百中というわけには当然いかない。勝率が50%を超えれば御の字という世界だと思ってほしい。

はじめのうちは当然失敗をいくつも経験する。買った株(債券)の価格が下落した、逆に上昇基調にあったのにその道半ばで売ってしまった、(前節の話に関連して)景気サイクルを読み誤ってしまった、など。これらの失敗を多く経験することでだんだんノウハウが身に付き、自分の投資スタイルというものが確立できていく。例えば、「自分は資産が下落しているのをみると居ても立っても居られなくなり、売り急いでしまう」とか「欲張りで株価が最高値近辺にあってもまだまだ上がると思って売るタイミングを逃してしまった」など、実際にやってみることでだんだんと自分の性格や弱みというものがつかめてくるだろう。一度とは言わず何度もこのような苦い経験をすることで次第に精神のコントロールを身に着けることができるだろう。

また、実際に投資をしながら同時並行でより一層詳しく知ろうと勉強をすることもできる。勉強をしながらどの資産クラスが良いのか、どの銘柄が良いのか、自分なりの答え(それが絶対的に正しいとは限らないにせよ)わかってくることは、やみくもにわけも分からず投資をするよりもよっぽど良いことである。いろいろな本を読むことで自分の好みと合う(お手本となる)著名投資家のスタイルをまねることもできる。このように早く始めることで、時間的な余裕が生まれ、失敗を多く経験すること、そこから学ぶこと、経済・投資の勉強することなど、様々な利点を挙げることができる。

投資を長く続けることの優位性①:景気サイクルに惑わされないようにする

次に投資を長く続けることの利点について話したい。こちらの優位性は前々節どうよう景気サイクルに関連したことである。

前々節の例で、投資のタイミングが景気サイクルの不況期に重なってしまったとする。この場合、日々あなたの資産価値は目減りを続け、だんだん憂鬱な気分になっていくだろう。しかし、だからと言ってこのタイミングでさっさと投資をあきらめてしまうとせっかくのこの後に控える景気回復局面→景気拡大局面を逃すことになってしまう。短期的な上げ下げに一喜一憂をするのをやめ、より長期的な視点に立って投資をしたほうが良いというのは多くの著名な投資家が言っていることであり、投資の世界での鉄則でもある。

投資を長く続けることの優位性②:時間的分散を効かした投資が可能となる

また、市場が下落している状況であっても投資をやめないほうが良い。時間的な分散が可能となるからである。時間的な分散とは、投資のタイミングを何回かに分けることにより、特定の局面での取引による影響を抑えることができるというものである。

景気サイクルに合わせるように、各資産クラスの価格も波のような動きをする。超能力者かインサイダー(外部が知り得ない情報を持っている人間)でない限り、株価の最高値も最低値も完全に予想することはできない。時間的に分散して投資を行うことで(結果的に)割高な水準で買うこともあれば、割安な水準で買える時もあるだろう。一度に大量に買ってしまうと、その局面が割安な時なら良いが、逆に高値掴みをしてしまったときにその購入価格を超えるまで資産を保有し続けるのは大変である。もしくは損切り(購入価格よりも低い価格で売却してしまうこと)するにしても、文字通り損を出すことになる。投資は長期的に続けるものであるという認識を持って、時間的に分散を効かせながら少しずつ投資をしていくのが良い。

この節を読んでもらえればわかる通り、デイ・トレード(1日また数日間のうち何回、何十回と売り買いを繰り返して収益の獲得を目指すこと)を私は推奨しないし、短期売買は投資ではないと考える。短期間のうちに収益を出すことを狙うのは、投資ではなく投機である。投機が悪いことだとは思わないが、投資をテーマに扱うこの投稿とは相いれないのでこちらでは取り上げない。


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