賃貸vsマイホーム購入 


年度末なのに病的に忙しい今日この頃である。なんでこんなに忙しいのかというのはまた別のブログで一部触れようと思うが、まず一つ嬉しい報告を。

この誰が読んでいるのかいまいちわからないブログであるが、運営を開始して1年ほど経ちますが、初めてコメントをいただくことができました。どのようにしてこのブログにたどり着いたかわかりませんが、お読みいただいただけでも嬉しいのに、コメントまで残してくださりありがとうございました。引き続き、細々と続けてまいります(目標週末更新)ので、ぜひ時々覗いてみてください。また、コメントの際に次のブログネタへと続くヒントも頂戴しました。感謝の思いを込めてそちらに関して今回は書きたいと思います。

ということで今日は不動産購入についてです。

賃貸vsマイホーム購入結局どちらが良いのか

コメントをいただいた方からヒントを得て、こちらに関して1週間ほど考えてみた。また、某まとめサイトでもちょうどそのような議論がされていたので、そちらの様子も覗いて世の中の考えというのも参考にした。結論から言うと、「結局最後は自分の状況と好みによる」としか言えないという考えに至った。ちなみに私はマイホーム購入派である。これから賃貸とマイホーム購入の両面の良い点・悪い点を述べつつ、なぜ私がマイホーム購入派なのかについて書いていく。

まずは賃貸の良い点と悪い点を考えてみた。

賃貸の良い点

1)常に最新設備で好きなところに住める

2)借金を負わなくて済む

3)会社の家賃補助があれば支払い分を少なくできる

賃貸の悪い点

1)年を取ってきたら不動産は借りにくくなる

2)マイホーム購入と比べると毎月の支払いが割高になる可能性

3)結局最後に何も残らない

それぞれ詳しくみていく。

賃貸の良い点

1)常に最新設備で好きなところに住める

賃貸最大の利点は引っ越しが手軽なことだろう。基本的に賃貸借契約期間は2年であるが、別に律義に2年待たずして、引っ越そうと思えばいつでも引っ越すことができる。今のところが手狭になったから、ほかに住みたい街があるから、築年数の浅い家に変えたいから、など引っ越したくなる理由は趣向性の高い理由もあれば、転職・転勤したからなど、外部要因で転居を迫られる可能性もあるだろう。こういう時に賃貸のほうがフットワーク軽く動くことができるというのは利点として挙げられる。

2)借金を負わなくて済む

こちらもおそらく賃貸の魅力として考える人は多いだろう。賃貸は借金を負わなくて済む。ずっと住みたいかわからない、年々価値が落ちていく可能性のある不動産のために最長35年も借金生活をすることを考えれば、賃貸は終始気軽な気持ちでいられるだろう。借金を負うことへの忌避感が強い人も多いと思われる。

3)会社の家賃補助があれば支払い分を少なくできる

正直これは私自身経験というか知見がないのでわからないが、人によっては会社からの家賃補助が出る場合がある。そしてマイホームには補助が出ないところが多いようだ。したがって、賃貸である限り、自分が払う必要のある額は低位に抑えることができる人もいるだろう。

賃貸の悪い点

1)年を取ってきたら不動産は借りにくくなる

これについては見過ごしている人も多いのではないかと思うのだが、賃貸は気軽に場所を転々と移れる、というのはある程度若い時の話であり、歳を取るとだんだん賃貸は借りられにくいということには注意が必要だ。理由は単純に収入が年金のみとなれば家賃の支払い能力に不安があるから貸主が嫌うということも挙げられるが、何よりも自分の持っている部屋で孤独死されると困るというのがある。そうなると不動産価値が大きく落ちてしまうし、次の賃貸人も入りにくい。高齢になっても賃貸なら簡単に引っ越しできるというのはあまりにも楽観的過ぎる想定だ。そもそも高齢になってもそんなにコロコロ移りたいものなのだろうか。

2)マイホーム購入と比べると毎月の支払いが割高になる可能性

これに関しては個別具体的な例によって異なるとしか言いようがないので最後に「可能性」と書いたが、賃貸の住宅というのは当然オーナーがいる。オーナーは自分の住宅ローンの返済額、固定資産税、管理費、修繕積立金など諸々のコストを賃貸の家賃に上乗せするため、支払い額でいうとマイホーム購入よりも賃貸のほうが高くつく可能性が高い。よっぽどの事情がない限り、自分が支払う額よりも低い金額で貸してくれる人はいない。したがって、賃貸の場合はマイホーム購入者の必要コストをすべて肩代わりしているという感覚(危機感?)は持つべきだ。また、手軽に引っ越しできると書いたが、引っ越しをするにも費用はいろいろとかかる。新しく賃貸に住めば初期費用として家賃数か月分くらいの費用が掛かるし、敷金や礼金、更新料、引っ越し代など、諸々の費用も転居の際にかかることを忘れてはいけない。

3)結局最後に何も残らない

これが私にとって一番賃貸の嫌な点なのだが、結局自分が払ったのは何だったのかというくらい最後には何も残らない。マイホーム購入であれば、少なくとも家が残り、住宅ローン完済後も住み続けることができるが、賃貸は家賃を払い続けなければ住む場所を失ってしまう。金を払うということは変わらないのに、最後に何か形として残るものがあるのかないのか、と言われると賃貸の場合には何も残らないという点でダメージが大きい。

続いてマイホーム購入の良い点と悪い点をみていく。

マイホーム購入の良い点

1)最後にモノが残る

2)歴史的低金利もあって、賃貸対比支払い負担が少ない

3)様々な活用方法が考えられる

マイホーム購入の悪い点

1)長期にわたって借金を負うことになる

2)住宅ローンの返済に加え、税金や修繕積立金などランニング・コストが(完済後も)かかる

3)負の遺産になる可能性

こちらもそれぞれみていきたい。

マイホーム購入の良い点

1)最後にモノが残る

先ほどの賃貸の悪い点の3番目で挙げたものの対比だが、マイホームの場合、借金を完済したらとりあえずは住む場所が手に入る。税金などのランニング・コストはかかるが、それが問題なく払えるのであれば、死ぬまでとりあえず住む場所には困らない。

 

2)歴史的低金利もあって、賃貸対比支払い負担が少ない

こちらは次回ブログで金利について細かく触れるが、今は借金をするのに良いタイミングである。同等の不動産であれば賃貸と比較するとおそらく安く住むことができるし、これまでであれば手に入らなかった価格の不動産も手に入れることができてる。

3)様々な活用方法が考えられる

こちらに関しては賛否両論あるし、決してすべての不動産に言えることではないが、不動産を持っていれば、人に貸すこともできるし、売ることもできるし、住む以外の利用方法も考えられる。先ほど賃貸の悪い点の2番目で挙げたが、しっかりと物件分析を行い、賃貸需要が見込める不動産であれば、住む以外にも投資資産として保有する不動産を有効活用することができる。

マイホーム購入の悪い点

1)長期にわたって借金を負うことになる

こちらはマイホーム購入の良い点2との兼ね合いであり、良いととるか悪いととるかは好みの問題であるが、借金を背負うことに対する忌避感が強い人は非常に多い。将来的な不透明感がある中で、多額の借金をするのに二の足を踏む人がいるのも気持ちはわかる。

2)住宅ローンの返済に加え、税金や修繕積立金などランニング・コストがかかる

固定資産税や分譲マンションの場合管理費や修繕積立金など住宅ローンの返済以外にもお金はかかる。住宅ローンを完済してもこれらの費用は掛かり続けるので、借金返済後もタダで住み続けられるというわけではない点には注意が必要だ。

3)負の遺産になる可能性

これも個別のリスクとしか言いようがないが、特に田舎など、人口減少が著しく今後も回復が見込めないような場所に不動産を持っても、自分の死後負の遺産になってしまい、子供や子孫に迷惑をかけてしまうと心配する人がいるだろう。

以上がそれぞれのメリット・デメリットである。もちろん読んでいる人がどこに住んでいるのか、どんな仕事形態(転勤が頻繁にあるのか、家賃補助があるのかなど)なのかなど状況は異なるので、これらの良い点・悪い点を踏まえて、自分はどうしたいのかというのを考えてほしい。某まとめサイトは荒れに荒れていたが、私は別に一方がもう一方よりも確実に良いという風には思わないし、日本全国津々浦々の地域事情に精通しているわけでも何でもないので、最終的な判断は読んでいる人に委ねたい。

私はマイホーム購入の悪い点について下記のように考えるようにした。

1)長期にわたって借金を負うことになる

借金を負うのは間違いないが、賃貸だって結局生涯を通じて家賃を払い続けるわけで、ネガティブ・キャッシュ・フローが発生するという意味では同じだ。だったら最後に自分の資産になったり、賃貸として貸したりできる持ち家のほうが良いのではないかと考えた。借金を負うリスクに関して気にする人は多いと思うが、結局出ていく金があるということに賃貸も持ち家も関係ない点は忘れてはならない。

2)住宅ローンの返済に加え、税金や修繕積立金などランニング・コストがかかる

これはその通りで、特に分譲マンションの場合には管理費や修繕積立金が毎月付いて回るため、将来的にネックになりえる。戸建ての場合は強制的に徴収されるわけではないので、自分で意識して積み立てる必要があるが、設備にガタが来た場合はある程度大きな出費が必要になることは覚悟しておかなくてはならない、これに関して特に対策はない。覚悟を決めるだけだ。

3)負の遺産になる可能性

これは、不動産によるとしか言いようがない。リセール・バリュー(持っている不動産を売りに出すときの価格)が購入価格よりも低くなる場合(キャピタル・ロス)もあれば、立地や環境が良くて、競合の少ない(近所に新築がバンバン建つようなことがない)ような不動産であれば、負の遺産になるとは限らない。少なくともローンの残債くらいで売れればトントンなわけで、売れなくても賃貸に出して住宅ローンを自分の代わりに誰かに払わせることができればそれもそれで結果オーライだ。そのほかの投資と同様、銘柄(物件)選定が非常に重要になる。

私はお金を使うのは嫌いなのだが、お金を稼ぐ・増やす方法を考えるのは好きだ。自分自身、家を買おうとしたときは、リセール・バリューがどのくらいになるか、売らなくても賃貸に出したときに、借り手はつくだろうか、家賃は取れるだろうかということは非常に念入りに調べたし、不動産市場の動向もできるだけアンテナを張って注意している。現在壮大な実験を計画中なので、また近い将来書いていくことにする。

マイホーム購入派の私から言えることは2点だ。

1点目

賃貸派の人は借金は追わないまでも、結局ネガティブ・キャッシュ・フローが生涯にわたってかかるということ、そして家賃をいくら払い続けても、資産を手に入れているわけではないことに注意が必要だ。

2点目

マイホーム購入派の人は、優良物件(立地、設備、ランニング・コスト、リセール・バリュー、賃貸需要)が見つかったときのみ借金をして買うようにしよう。何となく金利も低いし今が買い時っぽいから、とりあえず賃貸よりは持ち家のほうがいいから、とあまり深く考えずに買ってしまうと、最長35年間ローン返済をし続けた時に、何の魅力もないボロ家だけが残ることになりかねない。途中で売却や賃貸に出す際も、思うようなリターンが取れないかもしれない。投資用不動産じゃなくて居住用不動産であったとしても、投資用不動産と同じくらい念入りな市場調査と出口戦略は準備しておかなくてはならない。

次回は、住宅ローンについて詳しくみていきたい。


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ななし

先日、コメントさせて頂いた者です。私の上司曰く、今は低金利だから物件価格を上乗せして利幅を取ろうとしてるから物件は割高だと言っており、コロナ対策のばら撒きのインフレ対策で金利を上げ始めた際に物件価格も落ちてくるだろうと言ってました。そうなのかなぁ?と思いつつ将来どうなるかを考え始めますと身動き取れなくなりますねw