相も変わらずこちらのブログのネタがなかなか浮かばず申し訳ないです。ESG投資に関していろいろと書いても良かったんですが、4連休であんまり仕事のことを思い出したくなかったので、代わりに受験生時代のことを思い出すことにしました。
ということで、実に1年3カ月ぶりの京大チャレンジです。今回から、ちょいちょい入試問題を解いていった感想を交えたブログにしていきたいと思います。例によって勉強ネタはフランクな言葉遣いになりますが、あしからず。
京大チャレンジ4日目:赤本を解く
4連休最終日、すでに諸々遊びまくった上に、オリンピックへの関心も薄いため、最後の晩は京大チャレンジに充てるとする。日本広しといえど、4連休最終日に京大の入試問題を解くアラサーもなかなかいないのではあるまいか、いや、いる(反語)。
本棚から京都大学(理系)2008という大昔の赤本を引きずり出していく。
パラパラとめくり、なんとなく後ろのほうにある2002年の英語を解いてみることにする。とりあえずは肩慣らしということで2002年英語の中でも大問1を解くことに決める。
といってもご存じの通り、京大英語は基本的に大問3問構成で、和訳、和訳、英訳、という大学受験界の異端児的な存在なので、なかなか客観的に採点するのが難しいのだが、まあその辺は無視して、とりあえずやってみる。
ちなみに、いろいろと大人の事情でこちらのサイトに入試問題の原文や赤本の模範解答を載せるわけにはいかないので、皆さんこちらのサイトなんかを参照にしながら、僕がどんな問題をやっているのかご覧ください。もしくは、「京大英語2002」でググると、大人の事情無視した人たちのサイトが出てくるのでそちらで原文や模範解答はご覧ください。
それにしても、和訳、和訳、英訳、ってなんか俺の日々の仕事内容と一緒じゃね?とおもいつ、いざ開始。
初見プレーの第一感想:めちゃくちゃムズイ。
和訳しなくてはいけない箇所以外の部分もしっかりと読んでいく。ふむふむ。なるほどね。そうですか。あー、そーいう話ね。はいはい・・・
いや、待て。こんなにむずかったっけ?京大英語。曲がりなりにも、大卒。曲がりなりにもアイビーリーグ院卒、曲がりなりにも外資金融勤務。
曲がりに曲がりまくった俺だが、マジでシャレにならないくらいわからない。初見での理解度は30%くらいか。何となく、物事の概念?の認識というか成り立ちに関する文章な気がするが、それにしても。内容が難しい。悔しいのは結構英単語も分からないことである。
気を取り直して、再読。ふむふむ、なるほどなるほど・・・
初見よりは何となくの理解度が上がり、先ほどの30%→45%くらいになる。いやそれでもめちゃくちゃ低いんだけども。
にっちもさっちもいかないが、とりあえず下線部1を和訳してみる。
最初に訳した時の下書き(現文ママ)
提唱されている1つの事象は何度も複製されて返ってくる。私たちはほかの人に伝えたり、ほかの誰かが話していたと引用し、確認(実証?)された後には、科学的な分野に対してもその話を拡大利用することができる。解釈の異なる話の意味の中に類似性が見いだされることがあり、あいまいさおよび正確さに対する差異、
我ながら、意味不明な和訳になっており、何を言いたいのかチンプンカンプンである。しかし、本当に日々英語に触れている俺が初見で和訳個所を日本語にするとこんな感じになってしまった。
「~正確さに対する差異、」のあとがどうしても続かない、つまりこの書き方だと原文の和訳がうまくできないので、ここで、無理くり和訳をするのはやめて、もう一度文章全体を読んでみることにする。
文章の後半部分が多少難易度が下がる感じなのだが、全体の理解度という意味では45%→60%くらい。
まあ大体の文章は6割わかればいけるっしょ!ということで、改めて、(1)の和訳をしてみる。
いくつかわからない単語があるものの、うまく構文を捉えること、対語として併記されている単語を手掛かりにわからない単語の意味を当てていくという、長年の英文和訳経験で培ったいぶし銀的スキルを使って和訳に取り組む。
だらだらと僕の感想を書いてもしょうがないので、(1)と(2)の僕の和訳をここに載せます。模範解答などは「京大英語2002」などでググって、探してください。
(1)1つの真実は繰り返し何度も返ってくる。私たち自身がそれを人に伝えることもあるし、ほかの誰かが話したものとして引用することもある。その真実が実証されたのちには、科学分野においても、その話しを構造立てて表現することができる。意味を与えようとする様々な人による異なる解釈や曖昧性および正確性に対する違いによって、意味の類似性は発生する。
(2)私たちの前にどのように事象が現れたかを私たちが交換する言葉は捉え、それに私たちが権威付けを行うと、言葉はその事象事態を捉えることになる。それと同時に、対象となっている事象に対する私たちの考え方も言葉の中に反映されるため、言葉は読み手や聞き手に対して私たち自身の真実も示唆することになる。
全体感としては、近からず遠からずなのだが、如何せん英単語の和訳ミスが如実に致命的な誤訳に直結してしまっている。
主な和訳ミスは下記の通り
Proposition 正)命題 誤)真実
言い訳:「真実」が正しくないのはわかっているんだが、前の段落で「真実(truth)」の話をしており、和訳個所も「真実」に近い概念の話だろうとの判断から「真実」と訳した。
Systematic 正)体系的な 誤)構造立てて
言い訳:systematicの和訳は本業でもいつも悩むところなんだが、仕事ではうまく表現をそれっぽいものに回避していて、しっかりとsystematicの訳語を調べていなかったのが、ここで今までの手抜きが出てしまった。
まあうだうだ言わなくても俺の和訳をみれば如何にカオスな内容の英語(原文)だったのかは多少は伝わるのではないだろうか。
京大英語の対策ポイント① 背景知識を如何に多く備えておくかが重要
正直受験は水物なので、本番にどんな内容の文章が出てくるかなんてわからないわけだが、普段から幅広に教養本というか、いろんなテーマの新書本を読んでおくと、(運がめちゃくちゃ良ければ)本番を役に立つかもしれない。
というか、おそらく大学側も純粋な英語力でこれを解いてもらおうというよりも、如何にこういう抽象的な概念というか、哲学的な教養を身につけているのかを問うているのではないかと思う。思い出してほしいがこれは京大の「理系」英語である。理系であれど哲学的な概念を身に着けておけよという大学からのメッセージを感じる。
仕事関連の本を読むことが多いが、もう少し意識して幅広なテーマの本を読むようにすることにする。特に哲学系の本は避けがちなので、今後は意識的に少しは手に取るようにしよう。
こぼれ話
大問1がめちゃくちゃ難しかった反動か、(ちゃんと全部読んだわけではないが)大問2はめちゃくちゃ簡単な文章であるように感じた。次回の京大チャレンジに期待。