就活生へ送る社畜からのアドバイス③


年末に着実に近づいているのになんだかんだ結構忙しい今日このごろである。と言いつつ、22時まで喫茶店がやっているのでこうやって創作意欲が満たされているのだからそれはそれで良しとする。

さて、これまで2回に渡って、就活生へのアドバイスを記載してきたが、今回もその続きで就活ネタを書いていきたいと思う。今回は就職先として「副業を許可している企業」を推したい。

コロナ禍がもたらした、意図せぬ働き方改革の代表格は前回話した「リモート・ワークの普及」と今回の「副業に対する認識の変化」だろう。人生は一度きりなのに、職業が1つしかないなんてもったいなではないか、自分にできることを最大限発揮して社会に持っている能力を還元していく。そしてそれで追加的な収入が得られるのだとしたらこれほどよいことはないではないか。そんなお話である。

なぜ職業を1つしか持てないのかという疑問

これは僕が幼いときから不思議だったのだが、なぜ大人は仕事を一つしかしないのだろうか、ということだ。単純に飽きないのかな?と思うこともあったし、他にやりたいことができたらどうするのかな?と謎に思うこともあった。

事実、僕自身就職活動をしていてずっと思ったんだが、世の中には本当に様々な仕事があり、どれも楽しそうだった。学生時代していた塾の講師もそのまま続けたいなーっと思ったし、株のトレーダーもかっこいいなと憧れた。大学の教授になって金融論や投資論を将来教えたいなと考えたこともあるし、ビジネス本みたいなのを書いて自分の考えを世間に伝えたいなという願望もあった。やりたいことはいくらでもあるし、行きたい会社はたくさんあったのに、入れる会社は一つ、やる仕事も一つというのはなんとも無慈悲というかつまらないなと。

副業ができない大きな理由:とにかく時間と体力がない

ただ、社会人に実際になってみてわかったことは、まず社会人にはそんなにあれもこれもやれるような時間がないということだ。まあ僕が外資系投資銀行、外資系投資会社という気が狂うほど忙しい会社にいたせいもあるかもしれないが、それにしたって、職業を2つ以上持つなんていうバイタリティはとてもじゃないがなかった。

ただ、そう言いつつも文章を書くのは好きだったため、ニート時代(留学前)などにこれまでに本を2冊Kindle上であるが、出版している。誰か興味あれば買ってください(笑)

外資就活のすべて

コロナ・ダイエット

そんなわけで、僕も無事面白みのないシングル・ワーカーになったわけだが、いつも心のどこかで厚切りジェイソンみたいなマルチ・ワーカーに憧れていた。

そんな中、転機が訪れたのは2020年のコロナ禍だ。僕が勤めている会社は非常に早いタイミングで社員全員が在宅勤務となり、前回のブログで書いたとおり、通勤時間というなんの生産性もない苦痛な時間が僕の人生から消えた。そして、仕事の進め方や時間の使い方も大きく変わり、朝に夜にと自由に使える時間が増えた。

こうして僕はこれまで憧れていたがなかなか実現することができなかったマルチ・ワーカーになることができた。

さて、前置きが長くなったが、僕がこうやって副業ができるようになったのは会社の理解というか、会社が副業を認めてくれているからだ。僕が勤めている会社の副業規定はシンプルで本業の就業時間中にやるものでないこと、会社が持っている顧客情報等を利用するものでないこと、本業と競合するものではないこと。細かいものもあるが、大きくはこれだけだ。どれも当たり前に守るべき者であり、僕にとってはどれも特に不都合のある規定ではなかった。

副業があることの利点

副業をしてみて思ったのは、たしかに時間的、精神的、体力的な負担は増えたがそれ以上に充実感を得られたということだ。副業をしたからこそ出会った人もいるし、新しいことを考えたり、興味がわいたりする。またそれが巡り巡って本業である仕事の方にも活かされることもあり、僕にとっては百利あって一害なしの気分だ。

もちろん、副業を始める最高の利点は追加的な稼ぎができることだ。人生100年時代なんて言われ、老後貧乏にならないように70歳まで働け、75歳まで働けと年々就業年数の延長が叫ばれている割に企業は定年制を撤廃していないというよくわからない事態になっている。なんなら45歳定年制なんて言い出している会社もあるくらいだ。年金なんて払うだけ払わされて、自分が納めた分がもらえないことはすでに確定している。会社も国も信じられなくないこの世の中、信じられるのは自分だけだ。自分でしっかりと稼ぐ力を身につけて、経済的な安定性を確保していかなくてはならない。そういう意味でも一つの会社にしがみつくような生き方をするべきではない。

また、副業を始めることでサラリーマンであれば考えもしなかったようなお金の問題を色々と考えるようになる。税金はいくらになるのか、確定申告はどのようにすればよいのか、所得税はいくらか、会社を作ったらどうなるかなどなど。サラリーマンであれば、複雑な税務処理は会社がなんでもやってくれるので、自分でやるのは確定申告くらいだが、自分で会社を作った場合は何をどうすればいいのかな?など考えること、学ぶことがいくらでもある。そういう刺激もまた僕が副業を楽しんでいる一つの理由だ。

キャリアの早い段階、何をするにもまだまだ学びの段階からあれもこれもと手を出すようなことをするのは良くない。しっかりと、まずは一つのことに集中し、余力が持てるようになったら2つ目、3つ目、と増やしていくと良い。

そういう意味でも副業をすることに理解のある会社を選択したほうが、何かと便利だ。こそこそギグ・ワークをして会社にバレないかハラハラする必要もないし、堂々と稼ぐ事ができる。一つの仕事、一つの会社でしか活かせないスキルでは長い人生どうなるかわからない。稼ぎ口が複数あるに越したことはない。

副業に理解のある会社で、スキルを身につけつつ、他の仕事もすることで、広範な知識やスキルをより学ぶことができる。

就活をする際には、ぜひ副業に対する会社の理解や認識を探ろう。

 

最後に、マルチ・ワーカーに関する厚切りジェイソンさんの言葉を紹介したい。僕が大好きな言葉の一つだ。

よく本業はどっちだって聞かれるんだけど、本業という言葉が嫌い。なぜかというと、人間=仕事という意味が込められてるんですよ。本業以外のことはできないでしょうという意味が込められている。僕は仕事じゃない。僕は人間です。ジェイソンはジェイソン。全てのことが本業。生き方が本業です。


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