日本版FIREを考える その4:副業でガッツリ稼ぐ


Financially Independent and Retire Early略してFIREという概念が日本でも流行りだしてから2年くらいが経つだろうか。経済的自由を手に入れることで早期退職が可能、もしくは本当に退職しなくてもいいが、経済的な自立(会社や仕事に囚われない人生)を目指すという考え方だ。このブログでも「日本版FIREを考える」としていくつか不労所得や追加所得を得る方法に関する記事を書いた。

日本版FIREを考えるその1

日本版FIREを考えるその2 株式投資

日本版FIREを考えるその3 貸株という究極の不労所得

今回はガッツリ有労所得であるが、副業をすることで、追加の収入を得ることができれば、当然可処分所得が増えて、それを投資に回したり、貯金額を増やしたりすることで、FIRE達成を目指せるということについて書いていきたい。

今回は僕の副業ビジネスの道について紹介する。

コロナ禍で仕事環境が大きく変わった

これまで僕もうっすらと副業したいな、追加の収入がほしいなと考えていたが、残念ながらしがないリーマンにそんな時間的・体力的余裕はなく、毎朝毎晩通勤電車に揺られ一日中会社で働き、帰ったら飯食って寝る、という生活をしてきた

しかし、去年の3月から日本でもコロナウイルスによる感染被害が拡大していき、勤めている会社が非常に早い段階で在宅勤務に切り替えてくれたおかげで朝晩の通勤時間2時間が浮くことになった。通勤時間だけでなく、夜も外食することが減ったので、自炊をすることが多くなり、毎日なにを食べようかと街をフラフラしてダラダラとレストランで時間を潰す時間も減り、その帰りに接待を伴う飲食店(意味深)に寄ることもなくなり(笑)、時間的、体力的余裕ができてきた。

最初は空いた時間でダイエットや筋トレ、手料理に挑戦していったがそれらもだいたい半年ほどで一巡していき、段々と手持ち無沙汰になっていった。

そんなときLinkedinに普段とは違うスカウトのメールが来ていた。これが僕の運命を大きく変えることになる。

Linkedinに届いた一通のメール

Linkedinは転職の際に活用したり、昔の職場の人とのつながりを持ったりするために、アカウントだけ作っていただけで積極的に利用はしていなかった。幸いにして今の職場に大きな不満はないため、毎週のように来るヘッドハンターからの連絡もガン無視していたのだが、このとききたスカウト・メールはいつもとは違っていた。

簡単に言うと、「副業しませんか?」というメールだったのだ。

興味本位で開いてみると、某大手金融情報ベンダーが英語記事の翻訳家(フリーランス)を探しているのだが、あなたの経歴は募集要件を満たしている。もし興味があったら応募してみないかという連絡であった。

日本にもランサーズクラウドワークスなどフリーランスと企業のマッチング・サイトがあるが、僕に依頼が来たのはこういった日系のマッチング企業ではなく、Upworkという米国の企業だ。したがって当然ながらやり取りは全部英語である。

残念ながら、結局この某大手金融情報ベンダーの翻訳ポジションは選考に落ちてしまったのだが、そんなことよりも僕としてはこのUpworkとの出会いのほうが大事であった。

ランサーズやクラウドワークスを使ったことはないが、おそらく同じような仕組みだと思うが、Upworkには企業側がピンポイントで「こういう人を募集しています」という求人募集をウェブサイト上で行い、興味のあるフリーランスがそれに応募する。書類選考や面接を行い、合格すると晴れてそのポジションを得る、というような感じで採用が決まる。

そんな中でUpworkの特長をまとめると下記の通りだ。

1)基本的に採用側が欧米系企業のため、報酬が全体的に高い

2)やり取りはすべて英語となるため、日本人の参入が少なく、競争率が低い

3)報酬が外貨建てのため、為替によっては為替差益が得られる

だいたいまとめるとこの3つだ。それぞれについてみていきたい。

1)基本的に採用側が欧米系企業のため、報酬が全体的に高い

Upworksは米国企業のため、利用している企業もほとんどが欧米企業だ。そのため、報酬が全体的に高い。希望時給も自分で決められるのだが、僕はどのくらいが相場なのかもわからなかったので、とりあえず自分の時給を$30と設定した。時給3000円(1ドル=100円換算)というとなかなかの高時給だ。また、時給制ではなく出来高制のところでは、例えば翻訳の案件であれば1 word=10セント、つまり1英単語=10円を提示している。流石に1英単語=10円だと拒否られる場合も多いが、それでもだいたい1英単語=5~7円くらいで受注できる。それよりも低い額を提示されればこちらから断っている。

ネットでぱぱっと調べたところランサーズの平均時給が1652.1円ほどらしいので、僕の時給はだいたいその倍くらいだ。

2)やり取りはすべて英語となるため、日本人の参入が少なく、競争率が低い

これは大きな特長だが、Upworkの求人も選考も面接も基本的にやり取りはすべて英語だ。したがって必然的にバイリンガルが最低条件となるため日本人の参入が少ない。求人(需要)はあるのに応募(供給)が少ないため、先程言った高報酬になりやすく、また応募をしても競争率が低いため採用される可能性が高い

おそらくこれが日系のマッチング・サイトだと今はレッド・オーシャンだろう。この日本人の参入が少ないことがUpworkの一つの大きな強みだ。

3)報酬が外貨建てのため、為替によっては為替差益が得られる

基本的に報酬はすべて米ドル建てで支払われ、僕の銀行口座に届く際に円に変換される。変換される際に為替手数料で1ドルあたり1~2円くらい持っていかれるのがうざいが、それでも今は円安であるため実は想定よりも多い報酬を受け取ることができる。

僕が仕事に応募する際はいつも計算しやすいように1ドル=100円を想定している。しかし、ご存知の通り今の為替は1ドル=114円ほど(2021年11月23日時点)なので、為替手数料を取られたとしても1ドル=110円くらいだ。ということは僕はなにもしていないのに、僕の想定よりも給料が10%上がっていることになる。

もちろん1ドル=100円を下回るくらいに円高となれば為替差損が発生することになるが、コロナ禍の最悪期でも1ドル=100円を割らなかった。日本という国自体経済は衰退している国なので残念ながらリーマン・ショック級の経済危機が欧米で発生するとか、第3次世界対戦が起きる、などがない限り世界の(投資)マネーが日本に向かうことはあまりない。少なくとも僕はそう考えているので1ドル=100円の最低想定ラインを切ることはなかなかないだろう。となると、今後も僕は基本的には為替差益を享受できることになる。これは実にありがたいUpworkの強みだ。

僕がこのUpworkを介して始めた副業は下記のとおりだ。

1)コンテンツ・ライター(単発依頼だが継続案件。1記事執筆で100ドルなど)

2)教育サイトの和訳(継続案件で時給30ドル)

3)各種和訳案件(単発案件で報酬は案件に寄るが安すぎるものは断っている)

4)各種調査案件(単発案件で市場調査や企業調査などの代行。時給30ドル)

5)各種インタビュー(単発案件で一回100ドル程度)

基本的には継続案件で僕の強みが活かせるもの(金融・経済知識)や関心の高いもの(調査・分析系の仕事や教育関連の案件)を選んで行っている。

良い仕事をすると、同じ会社の別の案件でも声をかけられることがあり、信頼関係を築いていけば単発案件も継続案件へと発展したり、当初は和訳だけだったのが、これもやってもらえる?みたいな感じで樹形図のように仕事が増えていったりもする。本業だろうが副業だろうが、しっかりと誠実に、良い仕事をすることが大事だ。結局最後は信頼関係がものをいう。

中には採用されたはずなのに途中で連絡が途絶えたり、あまりにも締め切りが厳しい案件の依頼が来たりするが、そういうところはこちらから断っていけば回避することができる。だいたいこういった悪徳業者は常に求人をUpworkに出し続けているので、いつもフリーランスに逃げられているのだろう。そういう業者を回避する目利きみたいなのも最近は身についてきた。

今年はこういった雑所得が非課税の20万円の範囲内に収まったが、来年はいよいよ越えそうなので法人として会社を立てるつもりだ。当然だが税金周りはクリーンでありたい。そうなると税金について調べたり、法人設立について勉強したりするのでそういった行動もまた僕にとっては楽しい体験となっている。

英語プラス・アルファの能力で勝負する

世の中には英語ができる日本人はたくさんいる。帰国子女は珍しくないし、留学経験者も昔よりも多いだろう。英語できます!という人は非常に多いが、逆を言うと英語しかできないやつというのも実は結構多い

英語なんていうのは所詮ツール(道具)であって、英語を使ってなにができるのかと言うのが重要なのだ。これはぜひ帰国子女や留学経験者に言いたいのだが、英語ができるだけなら悪いが英語ネイティブを雇えば良いわけで、あなたの付加価値とはならない。英語で金融が語れますとか、英語で市場調査ができますとか、英語を使って◯◯ができます、というものがあるから、人はあなたにお金を払うのだ。英語はペラペラだけど金融知識はありません、英語はできるけどパワポもエクセルもいじれません、では意味がないのだ。和訳依頼の案件は非常に多くあるが、和訳に必要なのは英語から日本語にするという能力以外にもその文章を真に理解できるような背景知識なのだ。金融・経済知識がなければ金融記事の和訳はできない。

これを読んでいる学生や若いビジネスマンにはぜひ、英語プラス・アルファの能力を身につけてほしい。英語とはあくまでツールなのだ。そのツールを使って、あなたはなにができるのか、ということが大事であり、それによって人よりも高い報酬を得ることができるのだ。

次回もUpworkでの体験について書いていく。


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