前回、前々回と不動産業界を取り巻く闇というか、不誠実な部分についてみてきた。今回もその続きで、不動産の購入プロセスで??に思ったことを書いていく。今回触れるのは以下の2ポイントについてだ。
3)提携している損保の火災保険に割引で入れる、という嘘
4)物件の重大な欠点の説明をしない。あとで判明して指摘したら「気づかなかった買い手が悪い」と開き直る
3)提携している損保の火災保険に割引で入れる、という嘘
いざ不動産を購入しようという段取りになると、火災保険に入りませんかというような説明と案内を受ける。よくある案内は「うちと提携している火災保険のプランに入れば保険料を割引しますよ」というものだ。
割引で入れるというのであれば良いなと思い色々パンフレットを用いて説明を受けるのだが、これがいやはやなんとも不誠実だ。
何が不誠実かというと、何ら合理的な説明を受けていないのに保険金の掛け金がマックスになっている。私が案内を受けた保険金のプランはなにか問題が起きた場合に2000万円近くの保険金が支払われるとのプランで、一括支払いで25万円を超えるようなプランだった。
保険に関する考えは人それぞれだし、家族構成や立地などによっても事故が起こりやすい(小さい子供がいる、天災の被害に遭いやすい場所)によっては保険に入っておいたほうが良いのかもしれないが、基本的に私は保険なんて最低限だけ入っておけば良いと思う(何度もいうが個人的見解だ)。
では最低限とはどのくらいかというと、「(一番火事による影響を受ける)キッチン部分が全勝した場合に補修にかかるお金」である。そう考えると、2000万円もおそらくかからないし、なんならその半分もかからないだろう。
また、多くの人が勘違いしているところおよび火災保険に入る最大の理由になっていることだが、仮に自身の家が火元となり、隣近所に被害を及ぼしたとしても、「法的に」は責任は問われない。もらい火による損害は自分で対応しなくてはならないのだ。そのため、隣近所のために火災保険に入るというのも、大いに結構だが、それだけのために入るというのは合理的ではない。もちろんだからといって、無責任に火事リスクの高い行動をとってもいいというわけではない。その辺の常識、善管注意義務は最大限に払った上での議論を今している。
ということなので、私はもっと保険金を下げたプランはないのかというと、今この場では案内できないと担当者に言われてしまった。
なら、改めて安いプランの案内準備ができたら教えてほしいと返した。
そして、ちなみにさっきから言っている「割引」ってどのくらい割引になるのか。あなたが今日案内した保険プランだと一括支払いで25万円程度だが、割引適用前だったらいくらなのか、つまりいくら(何%)の割引なのかを質問した。
そしたら、担当者は驚くべき返答をした。
いくら割引になるのか、私は知らない。
とのことだ。
これにはもう耳を疑うというか、クラクラしてしまう感覚を覚えた。私に目の前に座って、20分ほど火災保険の素晴らしさやなぜこのプランに入ることが重要なのか、そして今なら魅力的な割引価格で入れるとあれだけ熱弁していたくせに、実際にいくら割引になるのかは知らないらしい。50%割引かもしれないし、1円割引かもしれない。
自分が売っているものの定価を知らないで、割引価格で売っているらしい。
人生で一番高い買い物をするのに、このように不動産屋というのはどこまでも消費者を舐め腐っているらしい。言うこと、言うことすべてが胡散臭く、前回も話したが、彼らはどこまで徹底して1~6を行うのだ。
1)聞かれなければ、答えない
2)指摘されなければ、動かない
3)ろくに調べないで、適当なことをすぐ言う
4)遵法精神が著しく低い
5)バレなければいい
6)売れさえすればいい
ここまでひどい不動産業者にみなさんがお目にかかれるかわからないが、何度もいうが私が相手した業者はかなりの大手だ。昨日もCMをやっているのをみた。そういう業者でこんなひどいことが横行しているのだ。
不動産契約時に火災保険やらなんやら色々とついでに入っておけ、買っておけ、と案内を受けるかもしれないが、彼らの口車に乗せられないことを強くオススメする。結果として彼らの言っていることが正しければ後で入れば良い。
どんなに魅力的な話に聞こえても、自分で考えるというプロセスを怠ってはいけない。あなたの目の前にいるのは「まだ捕まってない詐欺師」レベルの人間くらいに思っておくのが良い。
4)物件の重大な欠点の説明をしない。あとで判明して指摘したら「気づかなかった買い手が悪い」と開き直る
最後にこれは実際に買ってから起きた事件だ。
私の買ったマンションで重大な欠点が浮き彫りになった。それは建ってしまった、また買ってしまった今となってはどうしようもならないような欠点だ。
多くの人は泣き寝入りするのであろうが、私は引き下がらなかった。当時売ってきた担当者に連絡をすぐにとって、こんな欠点があるとは聞いていなかった。説明する義務がそっちにあっただろうと迫った。
その担当者じゃ埒が明かなかったのか、後日になってその担当者の上席が出てきた。曰く、質問しなかったから答えなかった。契約書には書いてある。欠点を直すならお前(買い手)が直せ。こちらは1円も出さない。といつもの不誠実対応だ。
「契約書に書いてある」に関しては、後日弁護士の友人に彼らの言い分が通るか契約書を見てもらったがかなり苦しい言い訳だと言っていた。もちろん身内贔屓で私に気を使っていた部分もあるかとは思うが、彼も立場上変なことは言わないと思う。
結局私は自力で業者をあたり、友人の知恵も借りてその欠点を自力で直した。だいたい5万くらいかかったが、当初はもう絶対に直らないと思っていたような欠点であったため、直すことができて本当に良かった。またこの度、このマンションは貸しに出すことになったら、借り手も私のような不利益を被ることなくそこに住めるようになったと思うので、良かった。管理会社にも欠点の詳細、そして私の対応策についてもしっかりと説明させてもらった。
この欠点に関してはおそらく同じように被害を被っている人は日本に多くいると思うので声を大にして言いたいところだが、特定を避けるため、かなりぼかして書いた。
これまでも書かせてもらったが、兎にも角にも不動産業者はたちが悪い連中だ。夢のマイホームを手に入れる際にこの人らと関わらなくちゃいけないことは買い手にとっては本当に不幸だ。みなさんもこれからマイホームを買うことがあるだろう。彼らの腐れ根性と業界の悪しき慣習をもう一度ここに記載する。
1)聞かれなければ、答えない
2)指摘されなければ、動かない
3)ろくに調べないで、適当なことをすぐ言う
4)遵法精神が著しく低い
5)バレなければいい
6)売れさえすればいい
もし、これを読んでいる人に不動産の営業マンがいれば、即刻にこのような態度は改めたほうが良い。いつ何時も誠実な対応が最適解なのだ。
次回はこれまでの議論をもう少し拡大して一般的な概念と買い手としての心得について書いていく。