何者でもない君が、なにかになるまで

これを読んでいる君は、
まだ自分が何になるのかわからずにいる。

ただ何も考えずに学校へ行き、
ぼーっと授業を聞き、
試験前だけちょっと勉強する。

普段は部活をしたり、友達と遊んだり。
そういった時間がずっと続けばいいのにと思っている反面、

楽しい時間がずっと続かないことも、
もちろんわかっている。

自分は何がしたいのか、
何ができるのか、
聞かれたってわからないし、
考えたって答えはすぐに出ない。

毎日満員電車に乗り込むくたびれた大人にはなりたくないと思っているのに、
世界で活躍する同年代みたいにはなれないことも分かっている。

夢を熱く語る人を周りの友達と一緒にばかにしていると同時に、
どこかその熱量を羨ましく感じている自分がいる。

人に合わせるのは簡単だし楽だし安心できるけど、
どこか不安で不満でつまらない。

面白かった先輩も、
一緒にバカやった友達も、
いつのまにかみんなスーツを着て、
話す内容と言ったら、
インターンとか就活とかそんなことばっかり。

気が付くと、学校も街も黒いスーツで溢れてる。
まるで蟻のように。働き蟻のように。

つまんない人間になっていく。
そして自分も近い将来そうなるんだろうと恐れている。

それが社会の正解なのかもしれないけど、
自分の中の正解でないことは知っている。
でも自分の正解は何なのかと聞かれてもわからない。

だからみんな社会の正解に従う。
それが安心感を与えてくれるし、
親も友達も喜んでくれる。

そして数年後の自分の姿をイメージする。
満員電車に乗り込むくたびれた自分の姿を。

でも、大丈夫。
これが正解なんだと。
自分に言い聞かす。
これが「大人になる」ということなんだから。

まだ何者でもない君。
でも着実に、確実に「なにか」になる日は近づいている君。

社会の正解じゃなくて、自分の正解はなんなのか

わからなくても、
気づかなくても、
決められなくても、
考えることだけはやめないでほしい。