こんにちは。
プライベート・クレジット第2弾です。
前回の投稿で、低金利時代に高利回りが取れるということで、機関投資家の間で2020年以降(体感的には2022年頃からくらいですかね?)人気を博す資産クラスとなりました。
どの投資商品もそうなんですけど、機関投資家が概ね一巡しますと、次に販促がなされるのが個人投資家でして。プライベート・クレジットに関してもご多分に漏れず富裕層向け商品の組成を多くの投資会社が行うこととなりました。
ただし、富裕層向け商品の特性は、機関投資家向けの商品とは大きく異なります。投資に関する考え方やスタンスが違うのでそれはどうしてもしょうがないんですけど、ここに大きな注意が必要です。
プライベート・クレジット投資にかかわらず、機関投資家向けの商品には下記のような特徴があります。当たり前ですが、投資商品によって具体的なところは異なるのであくまでざっくりこんな感じ、というようなイメージでお願いします。
クローズド・エンド型
ポートフォリオ構築期間:18か月~24か月
投資期間:3~7年
投資申し込み:一定期間後は申し込み不可
途中解約:不可
元本払い戻し期間:投資後7~10年
クローズド・エンド型の商品とは、その名の通り、お金を預け、そのお金の運用を行い、最終的に元本が戻ってくる、までお金の引き出しができない(クローズ)ような商品です。10年クローズド・エンド型に100億円投資したとしたら、100億円(よりも増えてるかもしれないし、減ってるかもしれない)が返ってくるのは10年後です(厳密にはぴったり10年ではないですが一旦簡略化して説明します)。したがって、めちゃくちゃ極端に言えば、投資後10年間の間に何が起きようが正直できることはない、というかただただ様子をみる、という状況が続くこととなります。また投資の申込みも一定期間限定で、その後は申込み不可です。
次に、オープン・エンド型の商品をお話します。
オープン・エンド型
ポートフォリオ構築期間:18か月~24か月
投資期間:3~7年
途中解約:投資後1~2年後から受付可能
投資申し込み:随時受け付け
クローズド・エンド型商品との違いは、投資後数年が経てば解約ができるということと、逆に投資はいつでも申込みができるということです。
一定条件を満たせば、自由に解約ができるというのはクローズド・エンドみたいに10年間何もできないよりも使い勝手が良いと思われるかもしれませんが、じゃあいつやめんの?というのはなかなか機関投資家(サラリーマン)には判断しづらいものなんですねこれが。
そもそも、投資を決定するまでに数ヶ月から数四半期間、社内で議論を重ねてやっと投資決定を下したのに、数年後にそれを覆す(しかもすぐに解約するということは、おそらくパフォーマンスが良くないときですよね)となると、「じゃあそもそもなんでこんなもんに投資しようとしたわけ?ちゃんと調べたの?担当者呼んで来い!」となるわけです。始めるのと同じくらい、終わるのを決めるのは難しいんですね。
そうなると、投資会社側が勝手に終わりを決定してくれるものに乗っかっておくほうが、ある意味楽なわけです(しかも10年後とかワンチャンもう当時の担当者はみんな異動なり転職してて責任の所在も不明になっちゃうしね、みたいな感じでもあると思います)。
まあこんな単純な話ではないかと思いますが、こういう側面はあると思います。クローズド・エンド型もオープン・エンド型も良し悪しあるわけです。
ここまで言及しませんでしたが、大事なことはクローズド・エンド型もオープン・エンド型も「ポートフォリオの構築に1.5年~2年ほどかかる」ということです。これに関しては、どちらのタイプの商品であっても、機関投資家であれば十分に理解してもらえる点です。じっくり時間をかけて良いポートフォリオにしてね、というのは当たり前ですが、共通理解としてあります。
ここが富裕層マネーとは大きく違うのです。
富裕層が投資をする際の形態
今回のプライベート・クレジット投資で富裕層が投資することとなるファンドの形態は下記のようなものでした(厳密にはBDCという形態なのですが、BDCの説明とかめんどいので、そのへんは割愛します)。
ポートフォリオ構築期間:遅くとも数ヶ月以内
投資申し込み:月1回申込可能
解約:四半期に1回可能(運用総額の5%を上限)
個人投資家は機関投資家みたいに、自分のお金が実際に投資に回るまで1年も2年も待ってくれません。翌月、少なくとも数カ月後には投資が始まってくれないと、「おい、いつまで待たせんじゃコラァ」となるわけです。ここまでガラが悪いかは知りませんけど。
んでもって、解約も数年間は不可とか、10年間は不可とかを受け入れてくれません。パフォーマンスが悪化してくれば「俺の金返せ!」となるわけです。パフォーマンスが良くても、「さっさと、現金化させろ!」って言ってくる人もいるかもしれません(ここまでガラが(以下略))。
プライベート・クレジットは前回の記事で書きましたけど、流動性がありません。また中堅企業向けの貸付なので、どの発行体・案件が良いのかについてはしっかりと調査をしないといけません。でも富裕層はそんな律儀に待ってはくれません。
投資会社は富裕層マネーを取り込んだら、すぐにそれを投資に回して、数カ月後からは分配を払わなくてはいけないわけです。
このプライベート・クレジット投資が2024年頃からですかね~体感的には、から世界中の富裕層の間で爆発的人気を博します。毎月数百億円という富裕層マネーがプライベート・クレジット投資へと流入していきました。
こうなってくると、こちらもあるあるですが、新興の投資会社も続々とプライベート・クレジット投資分野に参入し、富裕層マネーの取り込みに奔走します。(ちなみにこの頃は新興プライベート・クレジット投資会社の富裕層担当営業の求人がめちゃくちゃたくさんありました笑)
このようにして、機関投資家マネーのほか、個人投資家マネーも取り込んでいく、プライベート・クレジット投資は一躍超人気資産クラスへと成長していきます。
ということで、次回(やっと)現在の問題と今後の見通しについて書いていきます。


